次回日程

  • 12月08日(日)
  • 10月08日(火)~ 11月08日(金)
  • 筆記・口試
  • 全国主要25都市

受験者インタビュー

人(じん)間(かん)万事塞翁が馬 ~努力は実る~

河野塾ISM 漢文講師 鳥海 篤 さん

鳥海 篤 さん
取得スコア:HSK6級

河野塾ISM 漢文講師 鳥海 篤 さん

わずか1年半でHSK6級に合格!その学習方法とは?
大学・大学院ともに物理学を専攻しており、そこで培った思考力を言語学習にも活かし、わずか1年半という期間でHSK6級に合格することができました。
少し具体的な話をすると、言語も物理もそれぞれの似たところがあると考えています。
小難しいことを言うようで恐縮ですが、それぞれの性質についてざっくり考えてみると、

◆言語
・「出来事・感情」を「文字」を用いて「文章」という形に落とし込んでいる
・言語は『文法』のもとで運用されている

◆物理
・「自然現象・自然法則」を「文字や記号」を用いて「数式」という形に落とし込んでいる
・物理における数式は『原理』のもとで運用されている

と言うことに納得いただけますか?このような見方をすると、物理と言語の親和性があるように思えますね。つまり、実はどちらも「文字や記号」を使って視覚的に捉えづらいことを表現していること、また一種のルールのもとで運用されている点は同じなんですよね。
ここで、習得するという観点で見ると、両方とも『ルールを理解することが重要』になってきます。ルールはよっぽどのことがない限り体系的にまとめられています。物理では「物事を体系的に捉えて理解する力」が特に重要で、学生の頃はこの力を物理を通してずっと培ってきました。そしてそれを言語にも活かしました。言葉にするとスマートですが、実際はだいぶ泥臭く地道に学んでいきましたよ。

また学習方法については、日本人は読解と作文の分野は、独学でも比較的対策しやすいと思います。しかし自身の学習環境として、第二外国語で中国語を選択していたわけでもなく、留学経験についてもなかったため、中でもリスニング分野においてはそれなりに工夫した対策が必要でした。
リスニングについては「とりあえず聞くところからスタートして、何十回と覚えるほど聞いたあとはスクリプトを見て音読する、口を慣らす」というように対策していましたね。
自分の言語習得における経験則として、「聞けるようになるためには自分がしゃべれないと聞けない」のは実感としてあったので、とりあえずなんとかくらいつける程度には聞ける/話せるようにして、あとはもう当然試験なので運試し(自分は当時合格ラインギリギリの実力だったので、特に運試しの側面が大きかったです)。うまくいけば受かるし、うまくいかなければ落ちるし…と思いながらも、とにかくチャレンジしました。
フランス語、ドイツ語も堪能である鳥海さんが中でも 「中国語」が最も習得しやすいと思う理由とは?
まず「漢字」を使っているというところがすごく大きいと思います。
アルファベット言語だと音しか表していないので、文章をぱっと見た感じ内容を掴みにくいところがあるんですよね。その点、中国語は日本語以上に漢字を使っているため、ある程度勉強していたら内容は理解しやすいでしょうから、日本人にとって勉強しやすいかなと考えています。
もうひとつは英語と中国語は基本的な文型 (SVO型の言語) が同じであることです。
日本では多くの人は義務教育を通して英語を勉強したことがあると思います。そして、基本的な文型は英語と中国語はほとんど同じです。英語と日本語の2つのベースを持ったうえで中国語を勉強するのが一般的な流れだとすると、基本的な道具はほぼすべて揃っているともいえると思うんですよね。その上で、中国語の言語の仕組み(文法)や単語を覚えていくことができるので、日本人にとってはやりやすい言語なんじゃないかなと思います。
そもそもHSKを受験しようと思ったきっかけとは?
はじめは中国語で資格を取っていけたらいいなという軽い気持ちで考えていました。そこで、自分は実用面を重視していたので、受験する検定試験としてHSKを選びました。またHSKはグローバルスタンダードなところ、CEFRの言語基準にも則っており、世界的に有名な点においても魅力的でした。
そして、もうひとつのきっかけは就職活動ですね。学生時代を振り返った時に自分は何か自分の売りになるものがあまりないと感じており、社会に出る前に自分の代名詞のようなものを作りたいと思っていました。そこで何がそれになり得るかを考えた時に、自分は英語をはじめ昔から言語が得意だったことに気づき、言語学習に賭けることにしました。就職活動をしながら中国語の学習に取り組む中で、これはもう絶対に就活に使ってやろう!という意気込みでHSKの対策をするようになりましたね。
振り返ると、中国語を学び始めて資格を取っていけたらいいなという「軽い気持ち」で始めましたが、気づけば就活に活かそうという「強い意志」をもって取り組んでましたね。
HSKの証明が河野塾ISM講師の採用にもつながった
一番上の級をとるとなんらかの形で活きるだろうなとは以前から思っていて、ついにその時がきたか!と感じたのが、塾講師の採用面接の時でした。もともと理系だったこともあり、数学や物理を教えられたらいいなと思っていましたが、塾長の河野さん自身もHSKに取り組まれたことがあり、履歴書の資格欄にあったHSK6級が光ってみえたそうです。そこから漢文の講師はどうかとびっくりするようなご依頼をいただいて今に至ります。
一瞬逡巡しましたが、学生時代から漢文は得意でしたし、中国語の知識を得た今だからこそできるアプローチや背景知識などがオリジナリティになるだろうと確信し、依頼を引き受けました。塾長自身がHSKに触れていたことも大きな要因としてあり、面接時に評価していただいたポイントでもあると考えています。
鳥海さんから中国語学習者・HSK受験者へメッセージをお願いします!
インタビューを通じて、いろいろとお話しさせていただきました。ここまでお読みいただきありがとうございます。
試験に合格するたびに自分のいままで勉強してきた時間や辛い思いなどが結構報われるのを実感します。もちろん、合格した瞬間の喜びは何ものにも代え難く、努力が報われたと最も感じやすいと思いますが、決してそのご利益は一過性のものではありません。というのもの、後々の人生において証明書がご自身の能力を保証してくれる強力な武器になるからです。いくら出来る人がいたとしても、証明するものがなかったらその人の能力がどれくらいかは分からないですし、特に就職活動の場面では採用する側としても証明するものがなければ評価をしづらいですよね。
私自身も講師の採用面接にて、塾長の河野さんの目にHSK六級が目に留まったことがきっかけで採用していただいたことから、「HSK六級がなければ今の自分はない」と考えています。
勉強していると「試験合格」にどうしても目がいってしまうので、日々の学習の出来不出来や試験の結果に一喜一憂してしまうと思うんですけど、勉強している限りは後退することはないので、確実にご自身の目指している目標や方向に近づいていることを忘れないでください。
そして最後になりましたが、日々の勉強の中で「目標」や「目的」を忘れず、中国語“楽”習をしていって欲しいです。