次回日程

  • 10月18日(土)
  • 08月14日(木)~ 09月19日(金)
  • 筆記
  • 東京会場のみ

受験者インタビュー

「HSK7-9級」受験者インタビュー

株式会社アストム
(旭化成株式会社より出向中)

新谷弘樹さん
取得スコア:HSK6級234点、HSKK高級62点、HSK7-9級受験

株式会社アストム
(旭化成株式会社より出向中)

中国語を学び始めたきっかけを教えてください。
1995年、旭化成株式会社に在籍していた時に、会社の留学制度を利用してシンガポール大学で1年間中国語を学びました。
当時、会社では今後中国や東南アジアに注力していくという方針があり、社内で人材を募集していたため、立候補し、シンガポールへ留学することになりました。シンガポール大学が長期休暇の時には、北京への短期留学も経験し、中国語の学習を続けていました。
留学~現在までの中国語歴を教えてください。
シンガポール大学で1年間学んだ後、会社に戻りましたが、しばらくは中国語と関係のない部署で勤務していました。「せっかく中国語を学んだのだから、関わる仕事がしたい」と希望を出し、2年後の1998年に中国に関連する部署に異動となりました。
当時は中国市場はまだそれほど大きくなかったのですが、2000年代初頭から中国経済が発展し、仕事の中での中国語の需要も大きく伸びました。その頃から毎月中国出張に行く機会にも恵まれました。
2007年頃には中国担当の専任となり、クライアントはほぼ中国のお客様に。業務を共に行うエージェントも中国人スタッフで、英語も話せる方々でしたが、基本的には中国語で仕事のやりとりをしていました。
さらに、2021年4月から3年間、上海に駐在。2024年3月末に日本へ帰国後は、子会社の株式会社アストムへ出向し、現在の部署に配属されています。以前ほど中国との関わりは多くありませんが、今も中国人スタッフとは日常的に中国語で会話をしています。
HSK受験歴を教えてください。
上海駐在中にHSK6級、HSKK高級、HSK7-9級を受験しました。
帰国後もHSK7-9級を2回受験しています。
なぜ7-9級を受験しようと思ったのですか?
きっかけは、6級を受験後その上のレベルの試験を受けたらどうなるかと「力試し」をしたかった。また、帰国後に中国語のレベルが落ちないように「継続学習」のためです。

〈力試し〉
上海駐在中に一度HSK7-9級を受験したのですが、パソコン操作に慣れず、タイピングに時間がかかり点数が伸びませんでした。その悔しさもあり、帰国後に再チャレンジしました。日本では2回受験しており、1回目は1点差で7級に届かず…「1点がもったいない!」と思い、2回目の受験に臨みました。残念ながら、2回目は1回目より点数が落ち、未だに7級は合格できていません。再度、チャレンジしようと思っています。

〈継続学習〉
将来的には、定年後に中国語を活かした仕事やボランティア活動をしたいと考えており、今も語学力をブラッシュアップし続けたいという思いがあります。その一環として試験に挑戦し、学習のモチベーションを保っています。
どのように中国語の学習や7-9級の試験対策を行いましたか?
上海駐在時に通っていた語学学校のオンラインレッスンを、帰国後も続けています。週末に90分間の授業を受けており、使用している教材は『发展汉语 高级口语2』です。授業に向けては予習・復習に時間をかけ、しっかり準備しています。
また、付属のCD音声を活用し、通勤中やランニング中にもリスニング練習を行っています。
7-9級を受験してみていかがでしたか?
難しいと感じたのは「リスニング」と「スピーキング」の2パートです。

〈リスニング〉
設問が長文で構成されており、そこから正答を探し出す必要があるため、中国語力だけでなく、読解力・記憶力も求められると感じました。

〈スピーキング〉
HSKKのように「読むだけで得点できる」設問がなく、自分で作文して答える必要があります。その分、より高度な中国語運用能力が求められ、難易度が高いと感じました。

一方で、「翻訳パート」は比較的取り組みやすかったです。出題された日本語をそのまま中国語に訳す形式で、自分で文章構成を考える必要がないため、私は得点しやすいと感じました。
全体的にはハイレベルな試験だと思いますが、通訳や翻訳などを本業とする方にとっては、挑戦しがいのある内容だと思います。
日本人で中国語が話せる人材は貴重だと思いますか?
中国で仕事を進めるうえでは、中国語を話し、中国文化を理解している人の方が、現地の方と円滑にコミュニケーションを取りやすいですし、仕事もしやすいと感じます。
また、現地での生活も中国語ができた方が楽しいです。中国語を話すと、相手の態度が変わることもあります。仕事は結局「人と人との信頼関係」で成り立つので、通訳を介すよりも、直接話した方が距離が縮まり、より多くのことを教えてもらえることもあります。
中国語を使えるということは、中国関係の仕事をするうえで非常に大きな武器になります。たとえ現在中国経済がややトーンダウンしている傾向と言っても、中国市場の価値は今もなお高く、中国とのビジネスは今後も重要です。
また、中国は判断も進化も早く、AI業界をはじめとする分野でも高いレベルにあります。そのような情報を、中国語でリアルタイムにキャッチできる人材は、今後ますます重宝されると考えています。